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MT法の考え方と数理

二つの基礎事項

MT法は、以下二つのことが基礎になっています。
(1)相関を利用する
(2)正常群を基準とする

相関

「相関」とは、2つの変数間の関連性の強さです。たとえば下図の12個のは降雨量と傘売上数の10年間の平均的散布図ですが、雨の多い時期は傘がたくさん売れますので、両者には強い(高い)相関があります。しかし、のように降雨量が多いのに傘売上が少ないとすると、なんらかの「いつもとは違う状況が起きた」と考えられます。 
相関の例
MT法の数理は相関の強さ、すなわち相関係数を利用します。相関係数は全ての2変数間で計算されます。図に相関係数rの大きさと、2変数間のおおよその関係を楕円で示します。相関がゼロであれば円ですが、相関が強くなると細い楕円になり、相関が1であれば楕円が完全につぶれて直線となります。負の相関では、楕円は右下がりになります。
相関係数と楕円の関係

正常群による基準(単位空間)

二番目の「正常群を基準とする」とは、たとえば健康な人々のデータ(変数)はとりうる範囲も相関関係も一様なので、パターンの基準になるという意味です。正常状態や良品のばらつきは小さく、反対に異常や不良品にはさまざまな種類や程度があります。MT法では正常群だけで認識空間(単位空間)を作りますので、未知・未経験の不具合も検知することができます。
MT法では相関は計算で求めますが、正常群は人が決めるテーマです。たとえば、熟練検査員が良品と判定した製品を正常群とします。そのため、MT法は人間の判断を再現するという特質を持っており、技術伝承の場面でも利用されています。
正常空間とマハラノビス距離

マハラノビス距離の計算式

以下にマハラノビス距離D2の計算式を記載します。詳細は割愛しますが、この式の働きは前述の楕円を幾何学的な変換でいったん円に戻し、ユークリッド距離を求めることです。式中のkは変数の数、Yは対象データの規準化後のベクトル、ɑは相関係数行列の逆行列の成分です。
なお、マハラノビス距離を求めるために主成分分析や直交展開の式などを使用する方法もあります。計算を途中で止めずに全ての成分について計算すると、値は一致します。
マハラノビス距離計算式

多重共線性

マハラノビス距離の計算過程には、実は実用上の課題があります。相関係数が±1となった場合に計算ができないという課題です。計算過程にゼロ割りが発生するからです。この状態を多重共線性(multi-colinearity)いいます。
しかし現実の問題では、相関係数が1となることはよくあります。たとえば、流量を計測する場合、センサーを2か所に設置すると同じ値を示します。すなわち、途中に漏れなどがない正常な状態では、相関係数は1となります。しかし一方を外してしまうと、異常の検知ができないため、2つのセンサーはどうしても必要になります。
したがって、多重共線性がある場合でも計算が可能とする必要になります。アングルトライのMT法は、多重共線性がある場合でも計算が可能となる対策が施されています。
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