MTシステム問答・応用編⑨
言い方が堅苦しいというか理屈っぽいけど、言っていることはわかる。
ここでは、複数の部分どうしの相対位置、つまり相対関係が異なることがわかりますね。この例は顔だけですけど、人間が相手を認識するときは、そのほかに背の高さや体つき、声など多くの情報を使いますね。一つひとつも判断材料ですけど、相対関係も重要な判断材料になります。
そう説明してもらえると、納得しやすいね。さっきの色付きの"行列"を見せられるとパニックだよ。
これからも、いろいろと織り交ぜて説明しますから、辛抱してください。
相対関係かあ。じゃあ、文字の石の置き方と言うか、変化の数なんかの場合も相関関係で決まるたくさんの楕円がそこにあると考えればいいのかい?
そうです。ちょっと難しいのですが、コンピュータがどんな計算をしているかと言うと、"行列"計算をやっています。マハラノビス博士は、この計算方法で動物の骨の分類がうまく行くことを確認したのです。
"行列"は確かに数学の授業でやったけど、さっぱりわからなかった。
私も同じです。"単位行列"とかが出てきて、数字の"1"に相当するなどと説明されて、さっぱりわかりませんでした。ところが不思議なもので、自分がパターンとか予測とかをやる必要性が大きくなってくると、何とか知りたいという気持ちになるものです。
へえ、そんなもんかい。
必要は発明の母と言いますが、思いや願いが強いほど努力を惜しまないでしょう。彼女に会うためなら10キロの道でも、走ってでも何でも目的地に行きますよね。
また人生訓が出てきた。どうも、技術とか理論の話をしているつもりなのに、そっちに行ってしまうね。そうか。マハラノビスさんが君の彼女だったというわけか。